鍼管というのは、鍼灸を学んでいる人にとってはなじみの多いもので、鍼を身体に打つときに、鍼をこの管に通し、鍼を支え、的確に鍼をさせるようにするための道具です。
繰り返し消毒して使うものはステンレス製のものがほとんどで、形状も六角、八角、丸とあり、使用する鍼によって太さ、長さが何種類かあります。
最近では、衛生面から使い捨ての鍼(ディスポ鍼)が使われることが多く、鍼管もプラスティック製のものがセットされて販売されています。
兵庫鍼灸専門学校でも、実習(実際に人の体に鍼を刺す)ではディスポ鍼を利用しています。
このディスポ鍼の鍼管はほとんどが丸形ですが、メーカーによっては6角形鍼管にこだわっているメーカーもあります。
鍼管は鍼体だけでなく鍼柄までがすり抜ける構造になっていますから内径は鍼柄の直径より少し広くなっていますから大体1.8㎜程度で、外径が3㎜~3.5㎜というのが一般的なようです。

これもプラスティックごみであることには違いないですね。
ストローが紙になったり、レジ袋が有料化されたりとプラスティックゴミの削減運動が広まっている中、鍼灸師の皆さんも製造メーカーの皆さんも対策を考えたほうが良いかもしれませんね。
感染症対策のための使い捨て鍼管ですから、個々の鍼灸師のレベルでは再利用方法などの検討は難しいかもしれませんが、メーカーと業団などで検討してほしいものです。
このプラスティック鍼管というのは、内径が2㎜たらず、外径が3㎜~4㎜なので、プラスティック管としては非常に細くて市販されていないサイズです。
素材が塩ビや金属であってもなかなかないサイズです。
利用する人が非常にニッチになるので、こうしたディスポ鍼などを製造する業者がオリジナルなものを作っているようで、一般には出回らないということなのでしょうね。
ところが、私たち釣り人はこういうものを利用しているんです。

タイラバのヘッド(オモリ)の穴に仕掛けを通して釣るときに、仕掛けと鉛の角がすれて切れる恐れがあり、それを防ぐためにパイプを通しておくのです。
外径が、2.5㎜~4㎜のものを、釣り人は重りの数だけ用意するわけです。
以前の記事でも、ご紹介しましたね。
写真の重りに通してあるパイプです。

このパイプ、実は鍼灸師の皆さんのところには最初の写真のようにたくさんあるわけです。
外径も3㎜以下のものから4㎜くらいまで。
まるで、タイラバパイプと同じです。
釣り好きの私としてはこれを使わない手はないわけで、使用済みの鍼管を分けていただき、煮沸消毒いたうえでこのタイラバのヘッドのメンテナンスに使っています。
これは、小さな環境保全運動になりませんか?(^^;